合同会社の設立方法に必要な手続きとは?書類や手続きのポイントを徹底解説

合同会社は個人事業主と株式会社の中間的な存在として、近年注目を集めています。柔軟な経営形態と、株式会社に比べて設立の手続きが比較的簡単であることから、起業を検討する多くの人にとって魅力的な選択肢となっています。

しかし、実際に合同会社を設立しようとするとさまざまな手続きや書類の準備が必要となり、どこから手をつければいいのか迷ってしまう方も多いでしょう。

そこで本記事では、会社設立に必要な書類、手続きの流れ、注意点など、合同会社設立の手続きを初めての方でも分かりやすく徹底解説します。

 

合同会社とは

・合同会社とは

合同会社は、会社法で定められた「持分会社」という種類の一つです。株式会社のように株式を発行して資金を集めるのではなく、経営者や社員が資本金を出資します。

合同会社の大きな特徴は、出資者である社員がそのまま経営に関する権限を持つ点です。つまり、お金を出した人が会社の意思決定を行い、事業を行う立場になります。

これにより、合同会社ではスピーディーな意思決定が可能となり、柔軟な経営を行うことができます。

また、社員間の合意に基づいて利益の分配方法などを自由に決めることができるため、出資額に関わらず事業への貢献度に応じた利益配分も可能です。

株式会社に比べると設立費用や手続きが比較的簡易であるため、中小企業や個人事業からの法人成りなど、少人数で事業を始めたい場合に適した形態といえるでしょう。

 

・合同会社の特徴

合同会社は、株式会社と比べて設立の手続きが比較的シンプルで、費用も抑えられるという特徴があります。しかし、それ以上に重要な特徴として、「出資した人が会社の所有者、つまり経営者となるため、所有と経営が一致している点」が挙げられます。

自分たちで資金を出し、自分たちでどのように活動していくかを決めることができるため、スピーディーな意思決定が可能な点や、自分たちの理想とする経営を実現しやすいという部分も、株式会社などとは違った特徴といえます。

このように、合同会社は、出資者自らが経営に深く関わることで、より柔軟で効率的な会社運営を目指せる組織形態なのです。

 

合同会社を設立の流れ

1. 会社の基本情報を決定する

合同会社設立の第一歩は、会社の主軸となる基本情報を決めることです。まず、覚えやすく事業内容に合った会社名を考えましょう。

次に、会社の所在地となる本店所在地を決定します。これは登記簿に記載される重要な情報です。そして、事業の目的を明確にし、定款に記載する具体的な事業内容を検討します。

誰が出資し、どのように経営を行うのかという出資者と役員の構成もここで決めておきます。これらの基本情報は、後の手続きで必要となるため、慎重かつ具体的に決定することが大切です。

 

2.法人用の実印を作成する

個人の印鑑とは異なり、法務局への登録が必要となるため、耐久性のある素材を選び、印鑑の専門店に依頼するのが一般的です。

印鑑のサイズにも規定があるので、事前に確認しておくと安心です。この法人実印は、会社の重要な契約や手続きに用いられるので、慎重に準備を進めていきましょう。実印が完成すれば、設立登記申請に向けての準備もできます。

 

3.定款を作成する

定款は、会社の基本的なルールを定める重要な書類であり、会社の憲法ともいえます。具体的には、会社の名前(商号)、事業の目的、本店所在地、社員つまり出資者の名前や住所、出資金額などを記載します。これらの項目は、今後の会社運営の根幹となるため、慎重に検討する必要があります。

定款の作成方法には、紙媒体と電子媒体の2種類があります。電子定款の場合、収入印紙代4万円が不要になるため、コストを抑えたい場合は電子定款がおすすめです。

株式会社であれば、作成した定款は公証役場で認証を受ける必要がありますが、合同会社の場合は認証手続きが不要です。

定款の内容は、会社の軸であり将来を左右するため、しっかりと内容を理解し慎重に作成しましょう。

 

4.出資金の払い込みを行う

合同会社を始めるための元手となる出資金を、発起人となる社員の口座に払い込みます。これは、法人口座は登記後でないと開設できないためです。

払い込みが完了することで、会社設立に必要な資本金が確保され、法的な手続きを進める準備が整います。この段階で、誰がいくら払い込んだかの記録を明確に残しておくことが、金銭上のトラブルを防ぎ、後の手続きをスムーズに進める上で大切になります。

 

5.登記に必要な書類をまとめる

登記に必要な主な書類には、設立登記申請書、定款、社員の決定書、代表社員の就任承諾書、印鑑届出書などがあります。これらの書類は、事前にしっかりと準備し、不備がないように確認することが重要です。

書類に不備があると、登記が受理されず、設立の手続きが遅れてしまうため、事前に法務局のウェブサイトや専門家への相談を通じて、必要な書類や記載事項を正確に把握しておきましょう。

 

6.本店所在地を管轄している法務局に登記書類を提出する

登記は、会社が法的に成立するための重要な手続きとなります。必要書類をそろえ、不備がないかを入念に確認した上で、法務局に提出しましょう。

法務局への提出方法は、窓口への持参または郵送が一般的です。オンラインでの申請も可能ですが、別途準備物が必要となる場合があります。登記が完了すると、会社の情報が国の機関に登録され、正式に法人として認められることになります。

この登記日は、会社設立日として公的に記録されます。登記が完了すれば、いよいよ合同会社としての活動を開始することができます。

 

合同会社を設立するのに必要な書類

合同会社を設立するのに必要な書類について、一つずつ詳しく説明します。

 

基本的に必要な書類

・合同会社設立登記申請書

この書類は、会社の名前(商号)、本店所在地、事業目的、社員の情報、資本金の額など、合同会社の基本的な情報を法務局に届け出るための正式な書類となります。いわば、会社設立の「申請書」であり、この書類に不備があると登記が受理されません。

申請書には、会社の代表となる社員が署名・押印する必要があり、記載内容に間違いがないよう慎重に作成する必要があります。法務局のウェブサイトで書式が提供されているほか、会社設立に関する書籍や専門家のサポートを利用するのもよいでしょう。

 

・定款(会社保存用と法務局提出用)

定款には、先述したように、会社の運営に関する根幹的な内容が記載されます。この定款は、会社内部で保管するもののほかに、法務局への登記申請時に提出するものが必須となります。

電子定款で作成し、電子署名を行うことで印紙代4万円が不要になるというメリットがあります。一方、書面で作成する場合は、収入印紙を貼付することが必要です。法務局に提出する定款は、会社の設立登記の添付書類として審査の対象となります。

会社保存用と法務局提出用で内容に差異があってはならないので、慎重に内容の検討・確認を行ってください。

 

・代表社員の印鑑登録証明書

会社を代表する人物、つまり代表社員が、個人の実印として法務局に登録している印鑑を証明する公的な書類となります。この印鑑登録証明書は、合同会社の設立登記申請を行う際に、代表社員本人の意思確認のために添付が求められます。

この書類は、申請者が会社設立の意思を持っていることを公的に証明するものです。印鑑登録証明書に記載された印影と、登記申請書類に押印された印影を照合することで、本人確認を行います。

取得するには、代表社員となる方が住民登録をしている市区町村の役所にて手続きを行う必要があります。マイナンバーカードがあればコンビニエンスストアで取得できる場合もあります。有効期限が定められている場合もあるため、取得するタイミングには注意が必要です。

 

・払込証明書

社員が出資した金額が、発起人の口座に間違いなく払い込まれたことを証明する重要な書類です。

払込証明書自体は、払い込みを受けた金額と代表社員の署名および押印を記載した簡潔なものですが、証明として通帳の表紙・表紙裏面・取引明細ページのコピーを一緒にとじる必要があります。

 

・印鑑届出書

これは、会社の実印を法務局に登録するための重要な書類です。会社設立後、契約締結や不動産取引など、法的な手続きを行う際に必要となります。

代表社員の個人の実印とは別に、会社として使用する印鑑を登録するもので、一般的には丸印が用いられます。

印鑑届出書には、会社名、本店所在地、代表社員の氏名などを記載し、登録する印鑑とともに法務局に提出します。

この手続きを行わないと、会社としての正式な印鑑が使用できなくなるため、忘れずに対応してください。

 

・登録免許税納付用台紙

会社設立の登記申請を行う際に納付する税金である、登録免許税を支払ったことを証明するための書類です。

金融機関で登録免許税を納付した際に受け取る領収証書を、この台紙に貼り付けて提出します。台紙の形式は法務局によって定められている場合があるので、事前に確認しておきましょう。

登録免許税の納付とこの台紙の提出は、登記申請を完了させるために必須となる手続きですので、早急な対応を行いましょう。

 

・登記用紙と同一の用紙(CD-Rも可)

法務局に提出する登記申請の内容を記載する書類です。登記申請書の「登記すべき事項」という項目について、別紙やCD-Rに詳細を記入するのが通常ですが、この詳細を記入する書類になります。

書面かCD-Rで提出しますが、登記申請書に直接記載する場合とオンライン申請の場合は不要です。

 

場合によって必要な書類

・代表社員、本店所在地および資本金決定書(定款に記載されていれば不要)

会社の重要な基本事項である代表社員(会社を代表する人)、本店所在地(会社の住所)、そして資本金の額を正式に決定したことを示す書類です。ただし、これらの事項が会社の基本的なルールを定めた「定款」にすでに記載されている場合は、この決定書を別途作成・提出する必要はありません。

 

・代表社員就任承諾書

合同会社を代表する社員、つまり代表社員に選任された人が、その役職に就くことを承諾する意思を示すための重要な書類です。合同会社では、株式会社における代表取締役と同様に、会社の代表権を持つ代表社員を定める必要があります。

この承諾書には、代表社員となる人の氏名、住所などが記載され、本人の署名または記名押印がなされます。法務局への登記申請の際に、ほかの必要書類と併せて提出することで、誰が会社の代表者であるかが公に示されます。

 

・法人が社員になる場合の添付書類:当該法人の登記事項証明書、職務執行者の選任に関する議事録など職務執行者の就任承諾書

合同会社の社員の中に法人(会社などの団体)が含まれる場合、通常の必要書類に加えて、その法人に関する添付書類が必要になります。具体的には、その法人の現在の状況を示す「登記事項証明書」が求められます。これは、法人の名称や所在地、代表者などの基本情報を証明する公的な書類です。

さらに、その法人が合同会社の業務を執行する担当者(職務執行者)を選任したことを示す「職務執行者の選任に関する議事録」や、選任された職務執行者がその役職に就くことを承諾した「職務執行者の就任承諾書」も提出する場合があります。

 

・金銭以外を出資する場合の添付書類:資本金の額の計上に関する証明書、財産引継書

合同会社設立の際、現金だけでなく、不動産や有価証券などの金銭以外の財産を出資する場合、特別な添付書類が必要になる場合があります。

その一つが「資本金の額の計上に関する証明書」です。これは、出資された財産の価値を適正に評価し、それが資本金としていくらになるのかを証明する書類です。例えば、不動産鑑定士による評価書などが該当します。

もう一つ重要な書類が「財産引継書」です。これは、誰がどのような財産を会社に出資するのかを具体的に記載した書類です。これらの書類を提出することで、金銭以外の出資が適切に行われたことを法務局に示すことが可能になります。

 

まとめ

合同会社の設立は、個人事業主と株式会社の中間的な存在として、柔軟な経営形態が可能な点が魅力といえます。しかし、設立には、会社設立と同様に定款の作成や登記申請などいくつかの手続きが必要になります。

設立の手続きは、決して難しいものではありません。この記事を参考に、一つずつ丁寧に進めていけばあなたの思い描く会社を設立することができます。

しかし、これらの手続きや書類は法的な内容を含むものも多く、不備があると設立ができません。不安がある場合や詳しい内容を知りたい場合には、専門家のサポートを受けることで、よりスムーズに設立手続きを進めることができるでしょう。

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監修者情報
行政書士 井坂信彦

行政書士 井坂信彦
(行政書士登録番号10302729)

行政書士井坂事務所代表。