会社設立で必要な3つの印鑑の種類について

<会社設立で必要な3つの印鑑の種類について>
 

 
 会社設立にあたっては3種類の印鑑を作成するのがおすすめです。すべてのビジネスは契約書を前提として成立していますが、その際に3種類の印鑑があればまず安心といえます。印鑑を作るには業者に依頼しなければいけませんが、どういったところに頼むのがよいのでしょうか。これから会社を作りたいと考えている人必見の印鑑に関する基礎知識について解説します。
 

 
■実印1つでも足りる?
 どんな会社を立ち上げるにせよ、何らかの契約書を交わす機会というのは必ず訪れます。一般的に会社に必要な印鑑は3種類あるといわれていますが、どの印鑑を使うかによって契約書の効力に違いが生じるのでしょうか?
 
 実際、どの印鑑を使用したとしても契約書の効力に違いは出ません。それどころか、会社の正式な印鑑である実印ではない認印でも民法上は問題ないぐらいです。それでも、会社の設立登記をする時に法人実印を管轄法務局に届けなくてはいけないので、少なくとも実印を1つ持っていれば十分なのでしょうか?
 
 確かに法的には法人実印が1つあれば問題ないともいえます。しかし、それでも3つの印鑑を準備するのをおすすめするのには理由があるのです。

 
■3つの印鑑
 会社の印鑑には以下の通りの3種類があります。それぞれの特徴と法人実印とは別に作ることをおすすめする理由について説明します。
 
・法人実印(代表者印)
 法務局に届け出をして登録をする印鑑です。どのような形でもかまいませんが、直径18mmの丸印が一般的に選ばれています。
 
・銀行印
 会社の法人口座の開設、手形・小切手の振り出しに使用します。会社の経理担当者が管理することが多いので、代表が持つ法人実印とは別にしておくことをおすすめします。ただし、経理も代表者が兼務するような個人企業ならば必ずしもその限りではありません。
 
・角印(社印)
 見積書、請求書、領収書などに押印する印鑑ですが、できれば大事な契約書に使用する法人実印とは区別したいものです。なぜならば、日常的な書類に頻繁に法人実印を使用していると悪用されるリスクも高まるからです。銀行印とも分けておいた方が安全でしょう。法人実印、銀行印としっかりと区別するために、社印は角印が好まれる傾向があります。
 
■印鑑にふさわしい書体
 会社の印鑑として使用されるのは篆書体がほとんどです。紙幣に押印されている印鑑も篆書体ですが、偽造されにくいというのが最大の特徴です。偽造されにくい文字は他にもいくつかありますが、読みにくいものも少なくありません。篆書体のように可読性も兼ね備えた文字というものは少ないです。
 
 そんな篆書体から進化させた印相体、吉相体も印鑑向けといえるでしょう。篆書体よりもさらに偽造されにくくなっていますが、さらに八方に広がるような字体なので、開運印相として好まれています。
 
 その他、お札の「日本銀行券」「壱万円」などの文字でおなじみの隷書体、隷書体に丸みを加えた古印体なども人気です。会社の印鑑の書体は必ずこれにしなければいけないというルールはないので、エネルギッシュなイメージをアピールしたいならば力強い書体にするなど、工夫をしてみてはいかがでしょうか。
 
■会社印の材質
 会社印の材質もどれにしなければいけないという決まりはありません。一般的に本柘が選択されることが多いようですが、高密度な木材なので繊細な彫刻である印鑑にぴったりの木材です。使用後に印鑑をきれいにふき取り、落として欠けたりすることのないように注意すれば長く愛用できます。
 
 また、水牛の角を加工した黒水牛もおすすめです。硬度があって耐久性に優れ、長期間の使用に耐えることが特徴ですが、とくに中心部に芯が通っているものは「芯持ち」と呼ばれる最高品質になっています。
 
■どこで作ればよいのか?
 会社の印鑑を作るにははんこ屋さんの実店舗でお願いするというのも1つの方法です。とくに黒水牛はひとつひとつ個性が違うので、実際に店舗で手に取って確かめた方が安心です。ただ、どうしてもネット販売と比較して割高になってしまう傾向があります。
 
 一方のネットのはんこ屋さんは実店舗よりもリーズナブルなことが特徴です。実際の印影もプレビューで確認できることがほとんどですし、大事な法人実印などは書留で送付してくれるサービスもあります。
 
 しかし、実店舗にせよネットショップにせよ、どの業者がよいのか選別するのはなかなか難しいものです。間違いなく優良業者を選択したいならば、会社設立の代行業者に依頼してみてはいかがでしょうか。代行業者ならばこれまで数多くの会社の印鑑作りを代行してきたノウハウがあります。ノウハウだけではなく、会社設立にあたっては3種類の印鑑があることが望ましいといったことに関しても熟知しているので、一から説明する手間も省けるでしょう。会社の立ち上げで忙しい毎日を過ごしている人ほど、印鑑は代行業者におまかせして時間を節約してみてはいかがでしょうか。